【佐々木朗希投手も悩まされた】インピンジメント症候群とは?

〜肩の痛みとその予防・改善法をトレーナーが徹底解説〜

こんにちは、加圧&ボディメイクスタジオKの勝村です。
今回は、ドジャースの佐々木朗希投手がインピンジメント症候群の疑いで登録抹消されたというニュースを受けて、多くの方に関係するこの症状について詳しくお伝えしたいと思います。

「プロ野球選手だけの話でしょ?」と思われるかもしれませんが、実はこのインピンジメント症候群、スポーツ経験のない一般の方にも非常に多い肩の障害です。

この記事では、肩の構造や発症メカニズムから、予防法・トレーニングの注意点まで、トレーナーの立場からわかりやすく解説していきます。
野球選手以外にも「最近、肩が痛いな」「腕を上げると違和感がある」という方も、ぜひ最後まで読んでみてください。

佐々木投手の画像

出典:週刊ベースボールONLINEより

インピンジメント症候群とは?

インピンジメントとは直訳すると「衝突」や「挟み込み」という意味です。
肩関節においては、腕を上げる動作の際に、肩の骨(肩峰)と腕の骨(上腕骨)の間で腱や筋肉、滑液包が挟まれて炎症を起こすことで痛みが出る症状です。

特に問題になりやすいのが、肩を支える「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」と呼ばれる筋群です。これが骨と骨の間で繰り返し擦れたり、圧迫されたりすることで、やがて炎症を起こし、痛み・違和感・可動域の低下といった症状が現れます。

なぜ起きるのか?原因は“動作の特性”と“肩甲骨・筋力バランス”

インピンジメント症候群の発症には、単なる姿勢の崩れだけでなく、反復的な肩のオーバーヘッド動作(頭上で腕を振る動作)や、肩甲骨と上腕骨の協調性の乱れが大きく関係します。

① オーバーヘッドスポーツの動作ストレス(投球・水泳など)

野球の投球、水泳のクロールやバタフライ、テニスのサーブやスマッシュなど、肩を頭上で何度も大きく使う動作は、肩関節周囲の構造に大きな負担をかけます。

特に、投球動作の「コッキング期」(腕を後方に引き上げた状態)から「加速期」(ボールをリリースする動き)にかけては、上腕骨が肩甲骨の下方へ強く押し付けられるため、腱板(ローテーターカフ)や肩峰下滑液包が骨と擦れ合いやすくなります。

これが長期間繰り返されることで、摩耗や炎症を起こし、インピンジメント(挟み込み)が生じるのです。

また水泳の場合も、クロールやバタフライのように肩関節の可動域を大きく使う動作が繰り返されることで、関節内での擦れが起こりやすくなります。

② 肩甲骨の可動性低下とローテーターカフのアンバランス

肩の正常な動きには、「肩甲上腕リズム」と呼ばれる肩甲骨と上腕骨の連動が欠かせません。しかし、

  • デスクワークやスマホ使用の増加による猫背・巻き肩姿勢

  • 胸郭の可動性の低下

  • 肩甲骨を安定させる筋肉(前鋸筋・僧帽筋下部・菱形筋など)の機能低下

などが原因で、肩甲骨の動きが制限されてしまうと、上腕骨が肩峰と衝突しやすくなり、関節内で組織が圧迫されていきます。

さらに、ローテーターカフ(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の筋力低下や柔軟性不足により、肩関節の安定性が損なわれ、動作時のズレや摩擦が発生しやすくなります。

肩関節の解りやすい画像


スポーツ選手だけじゃない!実は一般の人にも多い症状

インピンジメント症候群は野球選手や水泳選手など、肩をよく使うスポーツに多いイメージがありますが、実際はデスクワークやスマホ操作の多い人にも発症します。

・洗濯物を干す時に肩が痛む
・子どもを抱き上げるときにズキッとする
・寝返りで肩に違和感がある

こういった症状がある場合、軽度のインピンジメントが起きている可能性もあります。


予防・改善にはどうしたらいい?

ここではスポーツ選手以外に悩まれているひとに対してインピンジメント症候群の対策を紹介したいと思います。
インピンジメント症候群の対策には、「柔軟性」「安定性」「姿勢」の3つのアプローチが必要です。

① 肩甲骨・胸まわりの柔軟性向上

胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)が硬いと巻き肩になりやすいので、ストレッチを取り入れましょう。さらに専門的なことをいうと肩の肩甲骨は胸郭(肋骨面)にへばりついているので胸椎、胸郭へのアプローチも効果的です!

例:胸開きストレッチ、肩甲骨回し

② ローテーターカフの強化

ゴムバンドや1~2kg程のダンベルなどを使って、肩周りのインナーマッスルを鍛えるのが効果的です。

例:チューブ外旋運動、サイドレイズ(軽負荷、肩外転位30度まで)

③ 姿勢の改善・体幹トレーニング

先ほどの胸椎、胸郭同様、骨盤の前傾・後傾バランスや、体幹の安定性も肩の使い方に影響します。体全体を連動させる意識が重要です。


加圧&ボディメイクスタジオKのアプローチ

当スタジオでは、肩まわりだけでなく体幹の安定性や肩甲骨まわりの可動域チェック、筋力バランス評価を行った上で、安全かつ効率的な加圧トレーニングや補助運動をご提案しています。

痛みを我慢してトレーニングを続けるのではなく、「ケガをしない体づくり」を一人ひとりの目的と身体に合わせてサポートするのが私たちの考えです。


まとめ:肩の小さな違和感、見逃さないで!

インピンジメント症候群は、初期の段階であれば改善可能な症状です。
しかし、我慢を重ねて悪化すると、トレーニングやスポーツはもちろん、日常生活にも大きな支障をきたしてしまいます。

「最近肩が痛む」「肩が上がりにくい気がする」という方は、早めに専門家に相談してみてください。
加圧&ボディメイクスタジオKでは、「鍛える」と「守る」の両方からアプローチするトレーニングを大切にしています。
無理なく、安全に、未来の動ける体を一緒に作っていきましょう。