今回も先週noteにて書かせて頂いた記事をこちらのブログでも書かせて頂きます。
ライザップが十数年前に一気にパーソナルトレーニングを世に広めて以降、この手の事故やトラブルが頻繁に警告されるようになりました。
実際、多額の広告宣伝費をかけパーソナルトレーニングを世に知らしめてくれたのは紛れもなくライザップの貢献ですが同時にパーソナルトレーナーの質低下をもたらしたのもライザップと言わざるを得ないでしょう。
ここ最近、数年おきに国や消費者団体がパーソナルトレーニングに対して注意喚起を出して、そのたびにニュースになっています。
しかし全く改善していないどころか、ずっとこの繰り返しですね。
何故改善しないのか、繰り返されるのか、という仮説は後述の「勝村目線」で独自の見方で述べさせて頂きます。
今回のYahoo!ニュースの毎日新聞の記事で「パーソナルトレーニング中の事故増加傾向 1カ月以上のけが4割」がトップニュースで扱われていました。
当施設の会員様でも目にされた方も多数いらっしゃいます。
この記事では、国の調査委員会がちゃんと数字を出してきており、
7年間で196件の事故が登録、
その約4割は治療に1カ月以上かかるけが。
腰の骨折、膝の半月板損傷、肩の筋の断裂などなど。
上記は聞いただけでヤバイ怪我ですが、実際に把握しているのが上記の数で、細かなケガを入れると本来はもっと多くてもおかしくはないでしょう。
で、その報告書が「なぜ事故が起きるのか」として挙げた原因が、次の3つと挙げられています。
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トレーナーの知識・技術・経験が足りない
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安全確認の漏れや、危険性を軽く見ていること
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利用者が「もう無理です」「やめたい」と言い出しにくい環境
現場目線で実際納得の内容ですが
では、なぜこの3つが現場で起きてしまうのか。ここからは「勝村目線」で見ていきましょう!
勝村目線

で早めの勝村目線になりますが、
そもそもパーソナルトレーニングに通う方々は、
健康になりたい、体を変えたい、競技パフォーマンスを上げたいなど
独自のニーズがあり、それに対して対価を支払いパーソナルトレーニングを受けて頂く、といった流れになるでしょう。
それが安くないお金を払って通った場所で、逆に体を壊して帰る。。。
とても皮肉な話ではないでしょうか。
まず全員が全員トレーナーに心酔してトレーナーの価値観に共感してパーソナルトレーニングを受けに来た、という訳ではないはずです。
対してトレーナー側はクライアントが目に見える結果を求めている!という焦りから上記の2,3にある安全確認の漏れやトレーナーに言い出しにくい環境を作り上げてしまうのではないでしょうか。
で前置きが長くなりましたが、このトレーナー、クライアント間の認識の違いが何故生まれるのかを勝村独自の目線で紐解いていきます。
パーソナルトレーナーは「淘汰されにくい」業界
まず大前提として知っておいて頂きたいのが、パーソナルトレーナーという仕事はレッドオーシャンであっても、なかなか淘汰されにくい構造になっている、という事実です。
例えば加圧トレーニングですね。2010年前後は「街を歩けば加圧トレーニングジムに当たる」と言われたほどのブームでした。これは現在はブームも落ち着き、程良い店舗数で推移しているかと思います。
ここがポイントなのですが、当時指導者間ではあまり評判は良くなかったものの(僕は文句は言っていませんでした笑)加圧トレーニングは資格の取得費用も更新費用もかなり高額でした。
確かに特許切れによる安価で低品質な模倣品が加圧の価値を下げた面もありますが、それ以上に「あまり加圧トレーニングに詳しくないけどブームに乗っただけ」という指導者が高額の更新料を払えずに脱落していき、自然淘汰がスピーディーに進んだ業種と言えます。
似たような業種では整骨院などもそうですね。
一時はコンビニより多いとも言われましたが、コロナ前頃からは出店数も伸び悩み、保険診療だけでは経営が圧迫されて物販や回数券、挙句にはパーソナルトレーニングもできまっせ、という流れになっています。
で、ここで思い出して頂きたいのは、整骨院は柔道整復師という国家資格が必須の業種です。
資格が必須の業種ですら、レッドオーシャンから淘汰されるのにこれだけ時間を要するんですね。
ところがパーソナルトレーナーは、無資格でもできてしまいます。
極論、昨日までホストやってました!という人でも、受けてくれるクライアントさえいれば成り立ってしまう。
週に1セッションしかなくて、他に本職があってバイト感覚でも、全然OKです。
ここがまず問題で、何が問題かというと、知識面だけの話ではないんです。
コンプライアンス、安全管理、リスク管理。こういったものを一切気にせず、「ヒトがいて」「トレーニングについて多少知ってて」「設備があれば」オッケー、的なノリでも成り立ってしまう。
これが今回のような事故やケガ、そしてトレーナー・クライアント間のトラブルを生む土壌になっているわけです。
有資格者と無資格者で、ここが変わる
では資格者はどうなのか、という話ですが、例えば僕の所有しているNSCAではCPR・AED(心肺蘇生法・自動体外式除細動器)の習得が必須となりますし、トレーナー保険の加入も推奨されています。
もちろん僕自身もCPR/AEDは講習も実施できる普及員レベルですし、トレーナー保険にも20年以上加入しています(もちろん発動したことはありませんが)。
「いやそれって心臓止まった時の話でしょ?軽いトレーニング中にそんな事あるの?」と思われるかも知れません。でも、軽い運動中であっても、急に心臓発作が起こってもおかしくはないです。そういった「もしも」に対する危機管理が出来ているかどうか。
これはトレーナーとクライアントの信頼関係の根本的な部分ではないでしょうか。
このあたりも、有資格者か無資格者かで責任感に違いが出てくる部分だと、僕は思っています。
じゃあ選ぶ側はどうすればいいの?
ここまで
・淘汰されにくい構造
・無資格でも成り立つ
・有資格者の方が責任感に差が出る
という3つの論点を話してきましたが、
「で結局、選ぶ側は何を基準にすればいいの?」
ということになりますよね。
正直、難しいですね。。。
僕自身は業界の中にいるので「あそこの誰々さんは信頼できるトレーナー」というのが把握できますが、全く業界を知らない方がいきなり探すとなると、近隣の施設を片っ端から回って質問しまくって、回答満足度の高かった施設・トレーナーを選ぶ……くらいしか正攻法は無いんじゃないかと思います。
「いやGoogleやSNSの広告から選べばいいんじゃないの?」という反論もあるかと思いますが、ここでトレーナー側からの本音を一つ書かせて頂きます。
ちゃんとしたトレーナーは、広告宣伝にお金をかける必要がない。
これはこっち側からしたら当たり前ですが選ぶ側からは見えない話です。
トレーナーの仕事は時間に枠の限りがあります。その枠が埋まってしまえば、それ以上クライアントは入れません。
あとは入れ替わりで年に数名新規がいらっしゃってくれれば、それで十分です。
もちろんチェーン展開して他のトレーナーに回せる体制があれば話は別ですが、それってつまり「あなたが申し込んだ信頼できるトレーナーには当たらない」という事でもあるんですよね。
なので、お金を払って広告枠にひたすら上がってくる、Googleの検索順位を上げるために費用をガンガンかけている、というところは、避けた方が賢明だと個人的には思います。
ちなみに僕が古くから尊敬しているようなトレーナーは、SNSなどでの発信はされていたりしますが、広告や検索上位には上がってきません。
あくまで自分の好きな情報を発信されているスタンスですね。

結論:古典的ですが「自分の目」と「信頼できる紹介」が一番
結論としては、古典的ですが、
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自分で何店舗か回ってみて、受け手側もリテラシーを磨く
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もしくは、信頼できる人からの紹介
これが一番確実だと思います。
冒頭の毎日新聞のニュースに戻りますが、
報告書が挙げた3つの原因
●知識・技術不足
●安全確認の漏れ
●言い出しにくい環境
これらはどれも「無資格でも成り立ってしまうパーソナルトレーナー業界の構造」と地続きの話なんです。

業界に何らかの資格制度や横断的な安全基準が整備されていけば改善するのかも知れません。
ただ現実問題、そこまでには時間がかかるでしょうし、その間にもケガをされる方はドンドン出てきてしまうはずです。
だからこそ、受け手側であるクライアントのリテラシーも大事になってきます。
今回のニュースを僕も含め他人事で終わらせない、というのが現場側からの願いでもあります。
最後に・・・
そもそも何でパーソナルトレーニングが必要か。
クライアントは自分でトレーニングを行なうより安全にトレーニングを行いたい。
効果を無駄をなく体感したい、というところからパーソナルトレーニングを選択されるのでないでしょうか?
それがトレーナー本位の俺のトレーニング、追い込み主義、単なる収入源、に成り下がってしまっている面があるのではないでしょうか?
あくまでクライアントが主でそれに対して的確な提案,指導ができるように自身を磨いていくことがトレーナーの本分かと考えます。