筋力向上に効果的なトレーニングの動作テンポとは?

こんにちは!大阪・難波の「加圧&ボディメイクスタジオK」の勝村憲治です。トレーニング指導をしていると、クライアントさんの多くが「どのくらいの速さでバーベルを上げ下げすればいいの?」と疑問を持つ場面が多々あります。

今回も前回の記事「筋肥大・筋力アップに最適なセット間休憩時間」同様NSCA PARKより現場に役立つ記事を考察させて頂きます。

ベンチプレスやスクワットといったレジスタンストレーニングにおいて、「動作のテンポ(筋活動の持続時間)」が最大筋力の向上にどう影響するのか? というテーマを、最新の研究をもとに解説していきます!

元ネタはこちら→筋力向上に効果的なトレーニングの動作テンポとは

ウエイトトレーニングをする女性の画像


動作テンポが筋力向上に影響する理由

トレーニングの動作は、大きく分けて以下の2つのフェーズに分かれます。

1️⃣ 伸張性筋活動(エキセントリック):筋が伸ばされながら力を発揮する動作

  • 例:スクワットでしゃがむ、ベンチプレスでバーベルを下ろす

2️⃣ 短縮性筋活動(コンセントリック):筋が縮みながら力を発揮する動作

  • 例:スクワットで立ち上がる、ベンチプレスでバーベルを押し上げる

筋活動の持続時間(MAD:muscle action duration) は、これらの動作の時間をどのようにコントロールするかを示す指標の一つであり、筋力・筋パワー・筋肥大の向上に影響を与えるとされています。


最大筋力向上に最適なテンポとは?

トレーニング初心者の場合

例えばコナミスポーツなど大手フィットネスクラブで初心者向けに説明する場合は2秒で挙げて4秒かけて降ろすという説明が多いですが文献等ではどうでしょうか?

トレーニング未経験者(研究前に3ヵ月以上レジスタンストレーニングをしていなかった人)を対象にした研究では、以下のようなテンポが最大筋力向上に効果的であることが示唆されています。

伸張性筋活動(エキセントリック):2~4秒
切り返し局面:0秒(止めずにすぐに動作を切り替える)
短縮性筋活動(コンセントリック):1秒(素早く動作を行う)
次のレップへの移行局面:0秒

→ しゃがむ動作をゆっくり、持ち上げる動作を素早く行うのがポイント!

トレーニング経験者の場合

トレーニング経験者を対象にした研究では、爆発的な動作(高速の短縮性筋活動)が最大筋力向上に有利であることがわかっています。

例えば、最大短縮速度の2倍の時間で動作を行った場合よりも、爆発的な短縮性筋活動のほうが、より大きな筋力向上が見られたという結果が示されています。これは、速い動作のほうがタイプⅡb線維(速筋)が動員されやすいため、より大きな筋力発達を促す可能性があると考えられます。

伸張性筋活動(エキセントリック):3~4秒
切り返し局面:できるだけ短く(爆発的に動作を切り替える)
短縮性筋活動(コンセントリック):できる限り素早く(爆発的に挙上する)

→ しゃがむ動作をゆっくり、立ち上がる動作は爆発的に!


全体(AI)まとめ:動作テンポを意識してトレーニングの効果を最大化しよう!

初心者の場合
エキセントリック(しゃがむ/下ろす動作):2~4秒かけてコントロール
コンセントリック(立ち上がる/押し上げる動作):1秒で素早く行う

経験者の場合
エキセントリック:3~4秒かけてゆっくり
コンセントリック:爆発的に動作を行う(できるだけ速く!)

これらの動作テンポを意識することで、最大筋力の向上に適した神経筋適応を促すことができます。トレーニング指導者やアスリートの皆さんは、ぜひこの知識を活用して、効果的なレジスタンストレーニングを実践してみてください!


参考文献
NSCAジャパン2024年翻訳掲載分 Vol.31 No.2 p.51~67
Strength & Conditioning Journal Vol.44, No.5, 39-56

勝村の補足

上記はAIでの内容ですので勝村個人での補足です。

トレーニングの動作スピード(テンポ)は、単に「速い・遅い」で判断するものではなく、さまざまな要因によって変わる ものです。以下のポイントを押さえて、自分に合ったテンポを見つけましょう!

① 適用される種目の違い

  • 複合関節種目(コンパウンド種目):スクワットやベンチプレスなど、多関節を使う動作に適用しやすい。
  • 単関節種目(アイソレーション種目):カーフレイズやアームカール、リストカールなどは、動作スピードの考え方が異なる場合があるため、工夫が必要。

② トレーニングの目的による違い

動作スピードは、「初心者・経験者」だけでなく「目的」 によっても変わります。

  • 競技向け(スポーツパフォーマンス向上):爆発的な動作が求められることが多い。
  • ボディメイク(筋肥大・シェイプアップ):コントロールされた動作の方が効果的とされる場合が多い。
  • 最大筋力向上:中程度の伸張性動作(3~4秒)+高速な短縮性動作の組み合わせが有効とされる研究も。

③ 性格的な影響もある

実は、トレーニングの動作スピードには性格も関係してくる ことがあります。

  • 僕自身、大阪育ちの生粋の「せっかちタイプ」。
  • そのため、スロートレーニングのようなゆっくりした動作は、筋肉の不快感より精神的なストレスの方が強くなる(笑)。
  • 「じっくりやるのが向いている人」「テンポよく進めたい人」など、人それぞれ違うので、無理に合わない方法を続ける必要はない。

④ 「重さをコントロールできるスピード」が最も重要

トレーニングの動作スピードについて、僕が最も納得した考え方があります。
以前、東京大学の石井直方名誉教授 から教わった言葉です。

「トレーニングの動作スピードは、重さをコントロールできるスピードで行う」

速く動かしても、重さをコントロールできなければ筋肥大効果などは薄くなる
逆に、遅すぎても不自然な動作になれば重さが対象筋にのってこない
結局は、「自分の筋力と目的に合ったテンポで、しっかりと負荷をコントロールすること」が大切

勝村補足まとめ

動作スピードは、一律に「こうすべき」と決められるものではなく、種目・目的・個人の特性に応じて調整が求められます。

まずは自分の目的を明確にする
性格や好みに合った方法で無理なく続ける
最も重要なのは、「重さをコントロールできる範囲で行う」こと

トレーニングの際は、ぜひ「自分に合ったテンポ」を意識して、最適な効果を引き出してください!