加圧トレーニングのリスク管理について

今回はトレーナーとして加圧トレーニングを指導する時に特に気を付けている事やどのようなデメリットがあるかなどを下記にご説明させて頂きました。加圧トレーニングは非常に良いものでありますが何でもやり方を間違えると効果どころか事故にも繋がりかねません。安全で効果の高いトレーニングを行って頂く為に皆様も是非参考にしてくださいね。

加圧トレーニングによる副作用

まず一番心配される静脈血栓については「加圧トレーニングをやってはいけないひと」で触れていますのでそちらを参照ください。

皮下出血

皮下出血している写真加圧トレーニングでの皮下出血(点状出血)とは上記画像のように皮下に点状に出血痕の斑点が現われる事。点状出血は下肢加圧トレーニングでは起こりにくく上肢加圧トレーニングを強めの圧で行うと発症しやすい傾向にあります。僕の加圧トレーニング指導経験上(14年程)でも下肢で点状出血が出たことは数例です。上肢で点状出血が出やすいケースは加圧トレーニング未経験、期間が10日以上空く場合、体調が思わしくない場合、元々の体質(例えばショルダーバッグを肩から掛けていただけ血痕の線が入るなど)などです。

血液がプーリングすると行き場を失った血液が毛細血管の隅々までいきわたり毛細血管の先端が花開くように微細な出血を起こします。血液が毛細血管の隅までを押し広げているだけなので健康上の問題はなく数日で消失します。加圧トレーニング初心者で何も知らずに点状出血が派手に出ると「加圧トレーニングを失敗した」や「怪我をさせられた」と思われることもあるので必ず事前の説明が必要です。そして人によっては点状出血が出た方が「やった感がある!」とおっしゃる方や他店で「点状出血がいつも出てすごく嫌だった」とおっしゃる方など点状出血については様々な反応があります。ただ点状出血が出たから効いてる、出なかったら効いてない、というものでもないと僕自身は考えます。

この記事を書いている僕も毛細血管がもともと脆弱でしたので加圧を始めた当初は刺青を入れたのか!?と思う位点状出血が毎回でました(今思えばもう少し圧を調整してくれれば良かったのに・・・と思いますが)

ちなみに点状出血がでる原因ですが毛細血管の脆弱性や血小板異常、初心者や毛細血管が脆弱な人への強めの圧や、除圧などを挟まずに長めの時間圧をかけるなどで点状出血が出やすくなると考えられます。

加圧&ボディメイクスタジオKはトレーナー自身の経験からもあからさまな点状出血はなるべく避ける為、毛細血管などが脆弱だと読み取った時はしばらく圧を下げた段階で適切なタイミングで除圧なども挟みながら加圧トレーニングを行ないます

「高圧でないと結果がでない!」と初心者にも関わらず腕の曲げ伸ばしもキツイくらいの圧でトレーニングをさせられたという事も聴きますが低めの圧でも効果が得られたというデータも過去にあるくらいですので最初から圧が高くないと効果がないというものではないのです。負荷が重い方が良いからといっていきなり初心者に100kg担いでフルスクワットさせるのと同じです。

それとは逆に慣れてきているのにずっと弱い圧も考えものであって、加圧トレーニングといえと漸進させるべきです。いかにそのクライアントさんの目的や体質に合った圧をかけてトレーニングを行なうかという事に加圧&ボディメイクスタジオKは重点を置いて指導しております。初心者の最初の数回はしょうがないとしても点状出血は極力抑えた方が賢明だと考えセッションを行なわせて頂いております。圧やリスクの管理というところでもトレーナーの、「診る、訊く、感じる」が非常に大事なってくきます。

血液がプーリングしている写真

迷走神経反射、前駆症状

前駆症状放置で失神へと繋がる。

前駆症状とは

気分が悪い、めまい、はきけ、発汗、頭のふらつき感、視覚のかすみ感、頭痛、動悸、知覚障害、顔が青ざめる、

回復しても

疲労しきった感じが残る

起こってしまった場合の対処の仕方

すぐにトレーニングを中止し、まず加圧ベルトを外す為に仰向けに寝かせる。何故ならいきなりベルトを外すとプーリンングされた血液が一気に戻り、一気に戻る事により沢山の血流があると勘違いし心臓の拍出量を弱め頭に血を送る量が低下しブラックアウトする事を防ぐ為。仰向けに寝かせたら一気に除圧するよりもそっとベルトを片側ずつ外していく。脚を高く保ち、必要に応じて水分や糖を補給させたり体を温めたりします。脈をとり現状を把握する事も大事。しばらく安静を保ち前駆症状が治まってくれば一気に立ち上がらず軽く上体を起こし様子を確認しながら立ち上がる。
体調が回復していても加圧トレーニングは日を改めて行ないます。その後も急にふらつきが現れる恐れがあるので気になるときは頭をなるべく低くする事を伝えます。

対処が早ければ大事には至らず後遺症も残らないですが迷走神経反射後、安静状態を保っていても体調が回復しない場合や回復が懸念される場合は救急車を呼びAEDを使用することとなります。

加圧&ボディメイクスタジオKの迷走神経反射への考え方

加圧&ボディメイクスタジオKには他の施設で加圧トレーニングを継続して受けられ、ほぼ毎回除圧後に倒れられたという方や度々気分が悪くなって倒れそうになられる方々も過去に何例もいらしゃいました。目的達成として加圧トレーニングに拘ることもないのですがご本人の希望も尊重しそのような体験をされながらでも加圧トレーニングに可能性を感じてらっしゃる事から出来る限りの事は行わせて頂きたいとの思いで、目的に沿った形での適正な圧での管理の元ご本人と確認を取りながら加圧トレーニングを行わせて頂きます。そういったケースでも大体の場合、当施設で迷走神経反射は起こしません。

きっちりとした圧の管理が出来ればリスクを最小限に抑える事が出来ます。実際に加圧は合わない方もいらっしゃいますが上記のような指導者側での圧の管理が出来ていなかったという事例も多々あります。しっかりと確認を取りながら圧の管理をする事も指導者としての最低限の仕事だと当施設は考えております。せっかくの運動、トレーニングなので運動後の気持ちの良さを感じながら帰りたいですよね。

加圧ベルトを巻いた時のしびれ&痛み

神経がよじれて損傷させられるような痛みではなく純粋に圧迫による痛みについてです。
まず圧迫による痛みは何が伝えているのか?となると受容器が神経、脊髄をとおして脳へ伝えており神経はしびれだけでなく痛みも伝えています。

では加圧トレーニングでどういった状況になると圧迫によるしびれオンリーから「しびれ&痛み」に変化するのか!?

ごく簡単に説明致しますと圧迫の強さによってしびれだけでなく痛みも併発します。

神経の仕組みを考えると太い神経(Aα、Aβ繊維)からまず圧迫が伝わり、それによりしびれが出てきます。圧迫が強いと痛みを伝える細い神経(Aδ、C繊維)も圧迫されるので痛みが出ます。

なので加圧ベルトを締めていきなり「痛い!」なんてのはその方の神経にとっては結構強めの圧迫が加わっているという可能性も考えられます。ちなみにしびれや痛みは圧迫の強さだけでなく圧迫されている時間でも現れますがその辺は正座を想像して頂ければわかりやすいでしょう。

そして加圧中の手の平などにしびれが起こる現象もあります。

手の平などに感じる加圧中のしびれは表皮側(手の表面側)にある神経終末で感じていると考えられ加圧をかけることにより水分などが手の末梢側にたまりそれにより神経終末が物理的に圧迫されている事によって起こるのではないか?と考えられます。

上記の説明では解りにくいのでもっと簡単に言うと加圧して手の先に水分が溜まりやすくなってその水分が神経を圧迫するからしびれるんじゃないかなぁ~という内容です。

まず一番最初におさえておきたい事はしびれは神経で感じている事。

そしてそれらは大きく2つに分かれ
1,脊椎などでの中枢性のしびれ
2,末梢の神経でのしびれ(ちなみに加圧で感じるしびれは末梢性です)
という分類が出来ます。

末梢性のしびれの原因として簡単にイメージできるのが正座です。正座で何故しびれるのかというと神経が圧迫されるからです。という事は加圧トレーニングももちろん圧迫をしているのでしびれが起こる可能性は充分にあります。血管に対して圧をかけるだけではなくその近くを通る神経にも圧がかかっています。

あと除圧してからしびれる事もありますが「圧迫されてないのに何故!?」となりますね。先ほど神経と血管は近くを通っていると書きましたがそばを通ってるだけではなくリンクしてます。神経も機能するための栄養が必要でそれを送り込む為に血管が繋がっております。そして圧迫中は血液が行き届きにくくなってますので血液の行き届かなかった神経に除圧後いっきに行き届くので神経細胞内外の濃度を元に戻す調整の為に神経が過剰に興奮してしびれが起こります。

注意点として加圧ベルトを巻いて尋常じゃないビリビリ感があった場合は我慢しないですぐ巻き直してもらいましょう(神経がよじれて損傷したら大変です)加圧をかけている腕の写真

その他注意点

上肢から下肢へ

加圧トレーニングは上肢から下肢へとトレーニングを行うがこれは腕の交感神経の刺激の方が強く運動に対する準備を行いやすくする為と下肢から始めると脚にプーリンングさせた血液を上肢にもってくるには重力の影響などもあり負担がかかりやすい為。交感神経の問題、血液のプーリンングの問題を考え加圧トレーニングは上肢から下肢へとトレーニングを行い安全面に充分に配慮する。

水分補給について

血液がベルトより末端部にプーリングするとベルトより根幹側は少ない血液でやりくりしなくてはならず一過性の脳貧血になりやすい。血もドロドロになりやすいので水分補給は特に気を付けてながら行なう。加圧時の骨格筋への血液量は正常時の約5倍ともいわれる。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は加圧トレーニングによる点状出血、迷走神経反射、痛みしびれについて書かせて頂きました。加圧トレーニングは効果が高くポジティブな記事はよく見かけますが注意点などを細かく記載している記事は少ない為、今回の内容が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。点状出血、迷走神経反射、痛みなどは加圧トレーニングの中でも代表的な副作用となりますがどれも指導者のさじ加減でリスクを最小限に抑える事が可能です。「加圧トレーニングをこれから始めよう!」「昔やったけどもう一度チャレンジしてみようかな」といった皆様も是非ご参考にされてください。

なおこの記事を書かせて頂いている私も大阪(難波)でパーソナルトレーニングジムを運営しており加圧トレーニングもしっかりと提供させて頂いております。大阪にお住まいで、加圧トレーニングを一度行ってみたい!過去に加圧トレーニングを行なってみたけれど不安だったというひとは是非、こちらからお問い合わせください。

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