女性独自のトレーニングによる効果

ウエイトを扱ったレジスタンストレーニングとなると、つい10年程前までは男性が筋肉量や筋力を向上させる為に行なうものとして女性はあまり行われず、どちらかといえば有酸素運動のような脂肪を燃焼させることに重点を置かれていたひとが多かったです。

トレーニングを勧めると「太くなるのは嫌!」という言葉が決まり文句の時代が当たり前のように続いていました。その意識がここ数年で大きく変化し、女優さんやモデル、女子アナなどの有名人がSNSでトレーニング動画を上げたりすることにより「女性がトレーニングを行う」「トレーニングで綺麗なラインを手に入れる」という意識が段違いに高まってきました。

食事だけのダイエット、トレーニング抜きの体重減少を求める行為は「もう古い!」という時代に突入しました。そんな中で女性と男性がトレーニングを行う違いや女性特有の反応についてお伝えさせて頂きます。ジムでトレーニングをする女性の写真

男女によるトレーニング効果の違い

生理学的な男女差をみる前にまず男女によってトレーニングを行なう目的も変わってくるかと思います。男性の場合は筋力を高めたい、筋量を増やしマッチョになりたい。胸板が厚く太い腕になりたい。など筋量を増やす事が主目的となることが多いです。それに対し女性の場合は綺麗なラインを手に入れたい。クビレを作りたい。ヒップアップしたい。脂肪を落として引き締めたい。といった引き締める内容がニーズとして多くなります。女性に適したトレーニング、男性に適したトレーニングという表現は適切ではありませんが、女性のニーズが高いトレーニング(お尻や背中のトレーニングなど)、男性のニーズが高いトレーニング(胸や肩のトレーニングなど)というものでは分かれてきすね。お腹は男女共に脂肪の少ない引き締まったお腹が好まれます。

男性は上半身。女性は下半身?

女性はお尻を中心とした下半身のトレーニングに重点を置くケースが多く、男性は目が行くのが上半身ですし脚のトレーニングがキツイという事もあり胸や肩、腕を中心とした上半身のトレーニングを好んで行なう傾向にあります。その理由にはもともと持って生まれた男女差があるからかもしれません。

筋厚データなどの統計では例えば上腕前部の筋厚は女性は男性の3/4程の筋厚しかなく、同じ筋量があったとしても上半身では1平方センチメートルで出せる筋力は女性は男性の3/4程になります。これに対し下半身では大腿前面では女性は男性の約87%、下半身の筋肉では同じ筋断面積であれば発揮できる筋力にはほぼ男女差はないという結果があります。

女性が積極的に下半身のトレーニングに励むのは納得ですね。

そして元々の男女差に筋力トレーニングをプラスした際、筋肥大効果などの差でさらに差が開くのか。というところですが、もともとの男女差の認識では女性は男性ホルモンが男性の1/20程しかなく女性がトレーニングによって筋肥大するのは非常に難しいと捉えられていました。ですが現在知られている男女差のデータなどから考察すると今まで考えられていたよりもトレーニングによる男女での効果の差は少ないようです。

僕自身もたとえ100年以上トレーニングを積んでもアイリス・カイルよりデカくなるのは絶対に不可能ですし、もしかすると男女差より個人差の方が大きく影響するかもしれないですね。

遺伝的影響についてはこちらの記事をご参照ください!アイリス・カイルの写真

ホルモンによるトレーニング効果

上述の男女差のデータからの考察でトレーニングによる男女での効果の差は少ないといえども、女性は男性ホルモンが男性の1/20程という事は事実でありホルモンの影響などからやっぱりトレーニング効果に差はあるんじゃないか?という疑問も沸いてくるでしょう。そんな人の為にこの項ではもう少し詳しくご説明させて頂きます。

テストステロンは男性の場合、95%が精巣で、5%が副腎から生成され血液内に放出されます。体内を循環し筋肉などに作用します。ちなみにテストステロンが最初に分泌されるのは母親の胎内であり、興味深い研究では1988年イギリスの心理学者ジョン・マニング博士により胎児期に母体の胎内で生成された男性ホルモンの濃度によって人差し指と薬指の長さの比率が決まると発表した研究があります。人差し指は女性ホルモン、薬指は男性ホルモンが影響されやすいといわれ、男性ホルモンのシャワーを胎児期に沢山浴びた場合は薬指の長さが人差し指より長くなりテストステロンレベルが高いとされています。手の指の長さを比較する写真

さらに男性は思春期に大量の男性ホルモンのシャワーを浴び、がっちりとした筋肉質な骨格になり男性的に成長を遂げます。男性ホルモン(テストステロン)は強い筋肉増強効果があり、それは紛れもない事実でその証拠にテストステロンはドーピングでも有名ですよね。それだけを考えてもかなり強い筋力増強作用があることが解ります。

話しが戻ってそもそも1/20という男性ホルモンの分泌量ですが上記の精巣などで生成されたテストステロンが血液中に流れ、それを抽出したものが1/20程という事であり最近の研究などで解ってきた重要な事は「トレーニングを行なうと筋肉内からも男性ホルモンが分泌される」という事です!そこには男女差はなく筋肉内から分泌された男性ホルモンは血液には流れにくいのでいくらトレーニングを積んでいる女性でも血液採取ではテストステロンレベルが低いという評価になってしまいます。

さらにいうとテストステロンの前駆物質のDHEAでは血中濃度でも男女差は無くトレーニングによる反応も男女差がないという研究結果もあります。DHEAは副腎で合成され、その後テストステロン、エストロゲンへと変換されます。このDHEAもIOCなどの競技協会ではドーピングのリストに入っており、このことからも強い筋力増強作用があるのは明らかです。

そして驚くことに前駆物質のDHEAそしてテストステロンだけでなく女性ホルモンのエストロゲンにも筋肥大作用があることが解っています。閉経後の女性にエストロゲンを投与する事によって筋肉の減少を止めることが出来たり、動物実験でもラットにエストロゲンを投与する事により筋肉量が高まる、試験管内実験では筋芽細胞の成長促進や筋タンパク合成シグナルの促進など多数の筋に対するプラスの作用が報告されています。骨格筋細胞には,エストロゲン受容体が存在し,骨格筋量の調節に関与しているともいわれます。

今までの女性ホルモンのイメージでは体に丸みを帯びさせる作用が強く、筋肉にはむしろ悪い影響が出るようなイメージがありましたが近年ではそのイメージも変わり性ホルモンは筋力を高めたりするだけでなく若さの源ともいえる存在になりつつあります。実際前述のDHEAを主原料としたサプリメントなどは若さを売りにした宣伝文句での広告を多数みかけます。

月経周期とトレーニング効果

まず女性の月経周期とは一般的には28日(正常な月経周期は25~38日)とし月経開始日から次の月経の前日までの日数とされています。月経周期は,下垂体前葉から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)卵巣から分泌されるエストロゲンやプロゲステロンなど複数のホルモンの相互作用によって調節され、生殖機能において重要な役割を担っています。

月経周期の段階は卵胞期、排卵期、黄体期の3つとなります。

卵胞期(低エストロゲン,低プロゲステロン)
月経の初日から排卵までの期間。

排卵期(高エストロゲン,低プロゲステロン)
周期半ばで卵子が卵巣から放出される期間。

黄体期(高エストロゲン,高プロゲステロン)
排卵から月経開始までの期間で妊娠しやすくなるよう身体が準備する時期です。

先程のホルモンによる影響でも説明した通り、筋細胞内にエストロゲン受容体が存在し、筋肥大に関与していることから上記の月経周期でのホルモンの変化がトレーニングの効果に影響を与える可能性は十分にあると考えられ今までも数多くの研究結果が存在します。その数多くのデータや私自身の15年以上に渡るパーソナルトレーニング指導経験から、この項で要約すると

まず①の卵胞期で中盤から後半にかけて体自体は動かしやすくトレーニングも行ないやすい状態で無駄な水分の貯留もない為体重も減少しやすい時期といえます。

②の排卵期を少し過ぎるくらいまではトレーニングの強度も上げやすい時期と捉えています。筋力のピークでいうとどの研究でも共通していることが②の排卵期最大筋力のピークである。というところです。

そして③の黄体期筋肥大などに関してエストロゲンの作用もあり一番反応が良いという結果もありますがただ水分の貯留が筋の肥大と捉えられている可能性も十分にあります。そして③の黄体期になると水分も貯留しやすく精神的にも肉体的にも不安定な時期となるひとが多いです。食欲というところでもこの黄体期に盛んになる傾向にあります。

難しいところは、基本的にエストロゲンの作用となるとラット研究からでも筋細胞の成長促進や合成シグナルの促進などが確認もされておりエストロゲンが筋肥大などのトレーニング効果に影響を与える結果も多数存在し、閉経後の女性にエストロゲンを投与する事によって筋量の減少を食い止める効果も認めらている事からでもエストロゲン濃度が女性のトレーニング効果に作用する事が解ります。

現場で多数の指導経験を積んだ中での個人的な感想ですが女性の周期によるトレーニング効果もかなり個人差があります。もちろんエストロゲンなどのホルモンによる筋への影響もありますが体調の変化もしっかりと認識し、総合的な体力、調子、メンタル、代謝や怪我のリスクなどを考慮しながら各個人に合わせたトレーニングプログラムを組み立てていく事が望まれるでしょう。

 女性特有の加圧トレーニングによる効果

これからご紹介させて頂く事は加圧トレーニングを行なえばそのような効果が必ずある!という事ではなく僕自身今まで15年近くの加圧トレーニングの指導の中で実際にあったケースやその事柄が何故起こったのか、を自分なりに仮説を立てご説明させて頂いた内容となります。加圧トレーニングの女性特有の反応は非常に興味深いものですので是非ご一読ください。加圧トレーニングの指導写真

不妊と加圧トレーニング

不妊治療されていた方が加圧トレーニングを始めてから妊娠されたという事を聞いたことがあるでしょうか?実は加圧トレーニング指導者には結構あるあるなんです!意外かも知れませんがよくある話で、この他に閉経された方が復活したなんて事もよく伺います。もちろん加圧トレーニングを行なえば不妊の方が皆妊娠するという事ではなく「二次的な効果でそういった事が起こる可能性がある」や「トレーニング効果の副産物として良い方向へ向かう」という位の解釈が良いかと思います。

ちなみに不妊のパターンで考えられるケースが

貧血→鉄分不足→黄体ホルモン低下→卵巣に悪影響→不妊や流産

という事が考えられ僕の勝手な見解で述べさせて頂くと(あくまで勝手な見解です。間違ってたら教えてください)加圧トレーニングを行なうと
約37兆2000億個ある人間の細胞の約1/3を占める赤血球などの血液細胞が活性化する→黄体ホルモンも活性化→卵巣にも良い影響→妊娠

という事も考えられます(あくまで勝手な仮説ですので妊娠しなかったなどの責任は負えません)

何はともあれ悩んでいた事が加圧トレーニングで解決したなんて最高ですよね!

胸が大きくなった?

加圧トレーニングと言えば成長ホルモンの分泌ですがそれによって筋肉の肥大や体脂肪の分解作用などはよく知られています。 そしてごくまれにですが胸が大きくなったと言われる女性がいらっしゃいます。トレーニングを行うと男性ホルモンの反応などは良くなるのですが女性の胸が大きくなるのは何故なんでしょうか?まず女性の胸が大きくなるには女性ならある年齢になると「ラクトゲン受容体」というものが形成されます。それにおなじみの成長ホルモンが影響してバストアップする。というのが過程ですが「ある年齢になる」というところがミソで、ラクトゲン受容体が出来る前に成長ホルモンの分泌が弱まってしまっていれば・・・

どうでしょうか?

そうです。成長するはずだった胸が成長しきれずにいたということになります。

人によってはラクトゲン受容体は20代や30代になって形成される方もいますので、そういった時に加圧トレーニングで成長ホルモンが大量分泌されるとまさかのバストアップにつながるんですね!そんなに頻繁におられるということはありませんが大阪難波にある当施設、加圧&ボディメイクスタジオKの会員様でもいらっしゃいまし、フリーランスのトレーナー時代で大阪市内のフィットネスクラブで指導させて頂いていた時も複数名いらっしゃいました。まだ加圧トレーニングをしたことない女性の方はもしかすると予想を超える出来事が待っているかも・・・です!

しもやけが出来にくくなった!

こちらは女性特有ではなく最近では手の綺麗さを気にする男子も増えてきているようです。私の若い時代は男子はゴツゴツの手に男らしさを感じましたが今は「男らしさ」というワード自体もNGのようですね^^;

しもやけは水回りの家事などを頻繫に行なうとしもやけなどができやすいです。

そこで「加圧トレーニングを始めてから冬にしもやけができなくなったんですが加圧トレーニングの効果ですか?」という質問も冬場になるとよく受けます。

原因は湿気の関係や水仕事が減ったなどがあるかも知れませんが加圧トレーニングの効果で考えられる事は・・・

手や指先まで血液が行き届く血行促進!これに尽きると思います。

寒くなると身体の中心に血液が集まりやすく末端までの血流が悪くなるのはしもやけやあかぎれの原因です。加圧トレーニングはその血流の流れの改善に凄く効果がありますね!男女共に綺麗な手で冬を越せるように加圧トレーニングは是非大阪難波のパーソナルトレーニングトレーニングジム、加圧&ボディメイクスタジオKへご相談ください!

まとめ

このブログでは女性の綺麗なラインを手に入れたい。クビレを作りたい。ヒップアップしたい。脂肪を落として引き締めたい。といったニーズに応えるためのトレーニングを科学的な理由付けを基にご紹介させて頂きました。女性特有の性周期やホルモンによる筋への影響、そして女性でも行ないやすい加圧トレーニングでの女性特有の効果など未だトレーニングを行なっていない人は是非この記事を機会に自分の可能性を最大限に引き出してみるトレーニングを始めてください。昔と違い今はパーソナルトレーニングという形でも近くで気軽にトレーニングを開始する事ができます。大阪、難波でパーソナルトレーニングが気になるひとは是非当施設、加圧&ボディメイクスタジオKへお越しください!

綺麗なスタイルの女性の写真

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執筆者紹介

執筆者情報:「執筆者不明」の記事が多いインターネットの世界ですが、真実を伝える事を重要視する加圧&ボディメイクスタジオKは、執筆者の情報も明確にしています。 この記事は、下記紹介の勝村憲治が作成しております。 情報の扱いが曖昧なサイトが非常に多く、無責任な内容も多々見受けられます(あくまで私見となります) 。情報を発信する側にしても受け取る側にしても正確な内容か、その記事は信頼できるか、そのような点もパーソナルトレーニングジム選びの参考になさってください。 当サイトはSSL(https://~)の導入による情報の暗号化、執筆者情報公開などの体制を整え、常に読者やクライアント目線での情報を提供しております。画像:勝村憲治トレーナー勝村憲治(カツムラケンジ)
◆経歴
1976年 大阪に生まれる
2006年より大阪を中心に大手フィットネスクラブなどでフリーランスのパーソナルトレーナーとして活動。芸能人御用達の加圧トレーニングスタジオや高級ホテルフィットネスクラブなどでも業務委託として指導。マンツーマン指導として15年以上の実績を持つ。
筋力トレーニングはもちろん加圧トレーニングやTRX,PNF、徒手抵抗、遺伝子をもとにクライアントのニーズに応える。
フリーランスのパーソナルトレーナーとして活動後、加圧指導は2007年より開始し、資格取得後1年程、上記の某有名加圧トレーニングスタジオで加圧トレーニングのダイエット、美容などへの応用について学ぶ。当時は大阪市内のフィットネスクラブでは加圧トレーニングは浸透しておらず、いち早く加圧トレーニングをフィットネスクラブで取り入れる事となる。NPO法人東大スポーツ健康マネジメント研究会認定加圧トレーニング特定資格者にも合格し現在、後進の指導にも励む。

その後2014年より南海難波駅徒歩1分の立地にて当施設「加圧&ボディメイクスタジオK」を運営。

運動初心者から機能的なトレーニングまで幅広く行い食生活やメンタルサポートなども得意とする。

◆保有資格
NSCA Certified Personal Trainer:NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
加圧スペシャルインストラクター
加圧スペシャリスト
NPO法人東大スポーツ健康マネジメント研究会認定 加圧トレーニング特定資格者
FLA食生活アドバイザー
アミノバイダルASM
DNAメソッドマスタートレーナー

◆コンテスト等
2009
DNSリアルアスリートチャレンジ 5位入賞(254人中)
2017
NPCJメンズフィットネスモデル 広島大会 優勝
2018
NPCJメンズフィットネスモデル 大阪大会 優勝
NPCJメンズアスリートモデル+40 茨城大会 優勝
NPCJメンズフィットネスモデル  world legends classic 優勝
2021
FWJ メンズアスリートモデル+40 三重大会 優勝
SBC 2021 SAITAMA 07 SBC LEGEND部門 優勝

◆2018,2020,スカイオーシャンモデル