筋トレと自律神経の関係について

自律神経とはホルモンと共に体の調整に働く重要な調整器官です。その自律神経も筋力トレーニング(筋トレ)に関わってきますので今回は自律神経と筋力トレーニングの関係を中心にご説明させて頂きます。

自律神経とは

まず自律神経とは何なのか?というと自律神経とは、自分の意志とは関係なく自動的に働く神経の事を指します。生命維持(呼吸・循環・消化・生殖・排泄等)に必要な機能を調節します。心臓の拍動などが良い例で全く意識していない時や寝ている時も自動的に働いてくれますね。心臓を自分の意志で停めたり鍛錬によって1分間に500回の拍動なども打つことができないのはこのためです。内臓以外にも代謝や体温の調節などの体の機能を寝ている間も含め年中無休でコントロールする神経を指します。

体だけでなく心にも大きく作用する自律神経は交感神経と副交感神経がバランスを取りながら細かな調整を行なっております。

交感神経は体の活動時や昼間に活発になり、それとは対照的に副交感神経は安静時や夜に活発になります。そしてよくいう自律神経の乱れは交感神経と副交感神経のバランスが崩れる事を指します。原因は不規則な生活やストレスが代表的であり、それにより不安等の高まりや吐き気、全身のだるさ、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠などさまざまな症状が見られます。これらの症状は個人差があり人によってバラバラですが自律神経がバランスを崩すと体自体に様々な不調が現われます。

そして交感神経自体まず何処に存在するのかというと脊髄にあり、脊髄の両側に交感神経幹があり、脊髄から出た神経繊維は交感神経幹を通り各器官へと流れていきます。一方、副交感神経は脳幹ならびに仙髄から伸びて顔面、または迷走神経として腹部内臓に流れていきます。

筋力トレーニングで鍛える骨格筋は運動神経支配なので自分の意志で動かしますが、心筋や内臓の平滑筋は自律神経支配の為、自分の意志では動かせません。その運動神経支配である筋力トレーニングに自律神経がどう影響していっているかを知る前にまず交感神経と副交感神経について詳しく述べさせて頂きます。自律神経の写真

交感神経とは

交感神経とは脊髄から各器官へ流れ、基本的に興奮の刺激を全身の器官へ伝える役割の神経となります。神経伝達物質としてはノルアドレナリンがあげられます。交感神経の興奮によって筋肉の緊張、発汗の促進、瞳孔散大、心臓血管系の促進(血圧上昇,心拍増加、血管収縮)、代謝の高進,高血糖など起こります。ただ胃腸の消化吸収作用は抑制されます(摂食中枢も抑えられ満腹中枢が優位になります。なので仕事やトレーニングなどで集中している時はお腹が空きにくいですよね)

上記の作用があり活動に適した状態がつくられます。神経を集中する仕事やトレーニングなどの運動時には交感神経が優位になり交感神経が緊張状態となります。交感神経は、身体の活動性を生みだす神経系で、わかりやすく例えるとスイッチ「オン」の状態と考えられるでしょう。活動以外にもストレスを感じたときも同じように交感神経が刺激され血圧が上昇します。

副交感神経とは

副交感神経は基本的に交感神経と逆の作用を司る神経と考えられるでしょう。なので副交感神経の機能は、血管拡張、血圧降下、心拍数低下、筋肉の弛緩、発汗の抑制などになり、胃腸の動きも活発化させます。 他にも唾液を増やす作用もあり夜中にリラックスしている時にお腹が空いて思っている以上に食べてしまったなどの摂食中枢に働くものも副交感神経によるものです。後述する交感神経の働きの弱いひとは肥満傾向にあるというところでもこのような作用が影響していると考えられます。

男性は30歳以降、女性は40歳以降で副交感神経の働きが低下するといわれています。夜間やリラックスする時に活発に機能する神経ですので前記の副交感神経の働き低下は不眠などに陥ったりする原因としても考えられるでしょう。交感神経だけでなく副交感神経も不随意神経系であり人間が意識して動かすことの出来ない臓器や呼吸、ホルモン分泌などの機能を制御しています。なので寝ている間でも自動的に心臓は動いてくれますよね。交感神経がスイッチ「オン」ならば副交感神経はスイッチ「オフ」になります。

筋力トレーニングと自律神経は気圧にも作用する

気圧の変化に対して人の体は気圧の変化に適応しようと自律神経を働かせます。前述のとおり自律神経である交感神経は血管を収縮させ心拍数を上げて体を興奮させ活動しやすい状態にする働きがあり一方、副交感神経は血管を広げて体をリラックスさせ休息状態にする働きがあります。

筋力トレーニングにも気圧による自律神経の働きが影響します。力発揮でいうと交感神経が優位になり血管などの収縮があがり、心拍も上昇する方が力が発揮されやすい状態といえます。一方、副交感神経が優位になってしまうと血管も拡張し心拍も低下となり運動(トレーニング)に適さない状態といえるでしょう。そしてその自律神経は天気(気圧)にも影響してきます。実際天気の悪い日にはなんだかヤル気が出ず筋トレに対するスイッチが入らないなぁ~なんて思い当たることはないでしょうか。

ハードなトレーニングしている写真

気圧も血圧で考えると解りやすいのですが圧が高いときは押し出す力が強く隅々まで血液を届けることが出来ます(高気圧)。逆に圧が低いと流れもゆっくりになり運動に適さないですね(低気圧)。

高気圧の時は筋力トレーニングなど活動に向いており血液の循環も良く、集中力も保ちやすく疲労物質の排出もスムーズに行われます。逆に低気圧の時は身体に血液を巡らせる作用が落ち、集中力も欠如しやすく怪我の心配も出てきます。低気圧はトレーニングなど活動に向いていない環境で特に気圧に作用されやすい体質のひとは不調の感じ方(低気圧→副交感神経優位→眠気、だるさ、倦怠感など)が大きくなります。

怪我の可能性も高まるし、じゃあ気圧の低い日はトレーニングを辞めておこう。と考えられるかもしれませんがそんな日でもきっちり筋力トレーニングしたい人は下記の事項を試される事をおススメします。

・交感神経にスイッチを入れる為にウオーミングアップを念入りに行う
・加圧ベルトのある場合は上肢の加圧トレーニングなどを行い交感神経にスイッチをしっかり入れる。
・酸素カプセルなどがある場合は利用する。
・亜鉛、マグネシウム、鉄、ビタミンB1、B2を摂取するなどなど

是非一度お試しくださいね^^

モナリザ症候群

モナリザ症候群とはMost Obesity Known Are Low In Sympathetic Activity(大多数の肥満者は交感神経系の働きが低下している)という英文の頭文字をとってつなぎ合わせた言葉になり、私自身は10数年前に加圧トレーニングの学会で初めて知った言葉になります。

モナリザの写真

実に肥満者の約7〜8割の方がモナリザ症候群とされており、『自律神経が正常に働いていなければ肥満になりやすい』という事実を表した言葉となりますね。

当施設「加圧&ボディメイクスタジオK」での減量コースでも「運動や食事を頑張っているのに痩せない」なんていうケースでは甲状腺機能やホルモン系の服薬と同時に自律神経の働きを疑ったりします(もちろん頑張っているといいながら影で食べてしまっていることもありますが人間誰でもパーフェクトにはいきません。。。)

無論、みんなが「モナリザ症候群」に当てはまる事はないですが下記に該当するひとはモナリザ症候群にならないようにするために生活習慣などを改めてみても良いでしょう。

モナリザ症候群になる原因

  • 灯りをつけたまま寝る、テレビをつけたままや音楽などを聴きながら寝る。
  • 仕事などでも1日中座っていることが多い。
  • 入浴は湯船に浸からずシャワーのみ
  • 寝る前の飲酒や過食。
  • 喫煙。
  • 寝不足または寝過ぎなどの不規則な睡眠。
  • 寝る前にスマホやパソコン、ゲームなどをする習慣がある。
  • 朝起きてから太陽を浴びない。太陽の光を避ける生活を送っている。
  • 朝食を食いたり不規則な食事が身についている(食生活の乱れ)。
  • 運動不足(特に筋力トレーニングなどの強度の高い運動の不足)。
  • ストレスを多く感じている。


上記に多く該当する場合は寝る前に副交感神経、朝起きてから交感神経へのスイッチの切り替わりが悪く日中でも副交感神経が優位になり脂肪燃焼の減少や代謝低下の原因になる可能性があります。

モナリザ症候群の改善方法

  • 朝食を抜かずに規則正しい食生活を送る。
  • 朝、太陽の光を浴びる。
  • 毎日ウォーキングなどの運動を取り入れる。
  • 筋力トレーニングを行なう。
  • 入浴時は湯船に浸かる。
  • 水分をしっかり摂り腸内環境を整える。
  • ストレスマネジメントを行なう。
  • 夜寝るときは灯りを消す。

上記の事項を少しでも多く取り入れ規則正しい生活を意識し、自律神経の働きを正常に近づける事も体作り(ダイエット)には必要となりますね。

心の3原色にも作用

心の3原色を表した写真心の3原色って聞いたことがありますか?

心の3原色とは「心」の背景を作るような脳な雰囲気を決める3つの要素(ノルアドレナリンドーパミンセロトニン)で説明されています。近年は脳生理学者などによりノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニンの3つの神経伝達物質を「心の三原色」と表現し「色の三原色」などのようにノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニンの3つの割合を心の「色合い」としています。この三大神経伝達物質が欠乏すれば脳が正常に働けなくなり心の安定が保てなくなります。

神経伝達物質とは、シナプスという神経同士の接合部で神経から神経へと信号の伝達に使われる化学物質のことです。

まず下記の3つの神経から神経伝達物質としてノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンを作ります。

ノルアドレナリン作動性ニューロン→ノルアドレナリン
ドーパミン作動性ニューロン→ドーパミン
セロトニン作動性ニューロン→セロトニン

ノルアドレナリン:ネガティブの【青】緊張感や危機感をつかさどる(興奮)
ドーパミン:ポジティブの【赤】快感や意欲をつかさどる(快、やる気)
セロトニン:安定の【緑】安らぎや充足感をつかさどる(快・不快の抑制)


上記が重なり合う心の色は行動や思考に強く影響しドーバミンは快楽・動機付けノルアドレナリンは覚醒・注意・判断力セロトニンは安定・落ち着きを生み出し3つのさじ加減で微妙な心の色合いが決まり3つのバランスを保つことが心の安定にも繋がります。

ノルアドレナリン

ノルアドレナリンとは、脳内の情報伝達に欠かせない「三大神経伝達物質」のひとつです。三大神経伝達物質が欠乏すれば、脳が正常に働けなくなります。

ノルアドレナリンは防御・攻撃など「危機対応物質」で、とっさの生命保持に働きます。アクセル・ブレーキでいうとアクセルです。脳幹や視床下部、大脳辺縁系が働き、危機と闘ったりストレスから逃げたりするために働くことから「闘争か逃走か(fight or flight)」というフレーズでよく紹介されていますよね。

そして「ノルアドレナリン」というと「アドレナリン」と一緒と捉えたりする事が多いですよね。

まず「ノルアドレナリン」は「アドレナリンの前駆体」でありノルアドレナリンは脳全体と交感神経、アドレナリンは視床下部と末梢神経系に働くのでアドレナリンが体に作用すると考えるとノルアドレナリンは心に作用すると考えれるでしょう。またノルアドレナリンとアドレナリンは生理作用も似ていますが下記のように若干異なります。

ノルアドレナリン

  • 心拍数を上げる作用が弱め
  • 血圧を上げる作用が強め
  • 胃腸の運動を抑える作用が弱め

アドレナリン

  • 心拍数を上げる作用が強め
  • 血圧を上げる作用が弱め
  • 胃腸の運動を抑える作用が強め

ドーパミン

ドーバミンは「快感物質」で報償系の中心、脳全体に快感を運びます。よくギャンブルなどが好きな人や薬物依存にハマってしまっている人の状態を表すときに「ドーパミン」の語句を見ますよね。適度な範囲なら心も体も前向きになり意欲も湧きますが、暴走を起こすと薬物依存・アルコール依存・ギャンブル依存などの依存症へと陥ります。

ちなみにドーパミンの分泌レベルを平常時100とすると

  • 美味しいものを食べた時→約150
  • 性的交渉→約200
  • ニコチン→約220
  • 覚醒剤→約1,000

となります。まさに「ダメ!絶対!」ですよね。ダメ!絶対のポスター

セロトニン

セロトニンは、時と場合によりアクセルやブレーキになり調整します。前頭前野が司令本部で全体最適を保持しながら目的・目標達成にむけて調整します。ドーバミンだけだと「依存症の快楽主義」系になり、ノルアドレナリンだけだと「闘争か逃走か」系になり、セロトニンだけだ「事なかれ主義過ぎ」て事が進みません。ここでも3つの神経伝達物質のバランスが重要です。

心を活かすのは体でもあり運動が大きく影響!

まず落ち着いた状態で脳もすっきりした状態を保つためにセロトニン作動性ニューロンを活性化させることが重要となります。上記をトレーニングや運動で考えるとトレーニングンなどの一定のリズムで行う運動がセロトニン作動性ニューロンに働きかけるので精神状態が不安定な場合などは散歩やトレーニングを取り入れたり、トレーニングを行なう設備がない場合などは5~10分程度の腹式呼吸を意識して一定のリズムを保つことが心の安定(セロトニン作動性ニューロン)に効果的です。

ノルアドレナリンの分泌が悪い場合でも運動によって脳に刺激を与える事によってノルアドレナリンを分泌する事ができます。リズム運動に効くセロトニン同様、トレーニングやウォーキングなどの運動刺激が筋肉から脳へ伝わりノルアドレナリンの活性化が期待できます。楽しさを感じることが出来ればドーパミンとのバランスもとれますね!

このように自律神経を整えてストレスを軽減させる効果が運動やトレーニング(筋トレ)にあります!

運動やトレーニング中は交感神経が活発になって興奮状態になりますが運動やトレーニング後は交感神経が一気に落ち着き副交感神経が優位になりこのようなメリハリが自律神経を整えてくれます。前述のモナリザ症候群のように自律神経と運動、健康は非常に密接に関わっているんですね!

まとめ

いかがでしょうか?ボディメイクやトレーニングに関わる事はトレーニング方法、食事だけでなく自律神経やホルモンも大きく影響してきます。以前記事にさせて頂いた遺伝子による影響もトレーニング効果に対して大きく左右しますが遺伝的要因は加味することはできても遺伝的要因を変える事は出来ません。

自律神経を整えたり、その為に規則正しい生活を行なうことは各自の努力によって十分に可能です。

ボディメイクだけでなく日常生活のクオリティを上げる為にも是非自律神経を整える努力を行なってみてください!

心の3原色のバランスがしっかりと保たれればトレーニングライフだけでなく仕事やプライベートも充実してきます。当施設「加圧&ボディメイクスタジオK」ではトレーニングや食事だけでなく上記のような色々な側面から会員様にアプローチし個人にあった指導を心掛けております。多くの経験と実績からくる指導を大阪・難波のパーソナルトレーニングジム「加圧&ボディメイクスタジオK」で是非受けてみてください。パーソナルトレーニングの指導風景

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